【109】 布袋葵 (ホテイアオイ)は、メダカの揺り篭


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「 メダカの学校は、甕の中・・・♪ 」
鵲声庵には、勝手口脇に据えている 甕と火鉢の中に メダカの学校があり、この暑さにもめげず、子メダカが元気よく泳いでいる。
このところの強い日差しは、布袋草が遮り、水温の上昇を抑えてくれているようだ。
中国製の甕には、2年前 スーパーで買ってきた メダカと、彼らが今年生んだ 子メダカが 20匹ほどいる。
日本製の火鉢には、先週、友人の畑の池から掬ってきた、今年生まれの子メダカを 50数匹入れてある。

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             ※ 野生のメダカ(黒メダカ?)

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メダカは、もともと日本、朝鮮半島、台湾などの極東地域や東南アジアに分布しており、西欧には、185年前 シーボルトによって初めて紹介されたという。
私の幼い頃は、どこの小川や田圃にも 沢山の メダカが生息していた。
秋口になると、水は落とされて 田圃は干上がり、死んでしまったかと、子供心に心配したりしたが、翌年の夏には、また、田圃の隅や井堰に沢山のメダカが群れていた。
その頃のメダカは、焦げ茶っぽい灰色だったように記憶しているが、この 昔から日本に棲んでいた野生メダカは、黒メダカと言うらしい。

日本の野生メダカは、だんだん減少し、2003年に絶滅危惧種に指定されたという。
今、スーパーなどで売られているのは、黒、橙色や透明など、色々あるようだが、日本の野生種は見たことがない。
野生種がいなくなった理由として、流れの穏やかな小川の減少、農薬の使用や生活排水など環境の悪化が挙げられるが、一番大きな要因は、農地改良によって メダカが繁殖時に用排水路から田圃へ進入することが難しくなったことと、カダヤシの繁殖によるのだという。

カダヤシは、タップミノーとか アメリカメダカとも言われているが、メダカとは全く別種の魚である。
もともと 北米ミシシッピー川流域の魚だといわれており、ボウフラを食べたり水質浄化に役立つとして、ひところ、日本で盛んに放流されたものだ。
日本各地の河川や湖沼で、日本在来の魚が、放流された外来種の魚に駆逐されていることが 問題になっている。
メダカの場合、絶滅危惧種に指定されたので、メダカを保護し繁殖させようと、遺伝的違いを考えず、誤って ヒメダカ、シロメダカ、カダヤシなどを放流して、却って 野生の黒メダカを窮地に追いやっているらしい。

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          ※ 布袋葵の花 [ 季節の花300 ] より転載
              http://www.hana300.com

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さて、布袋草は、冬は枯れてしまうが、夏場には株を増やして、広い葉や丸く膨らんだ葉柄やふさふさとした毛髪のような根で日光を遮り、水槽の水温上昇を抑えたり、水を浄化したりする。
また、メダカは、初夏になると、細く長く ふんわりとした根毛に沢山の卵を生みつけるので、布袋草はメダカの揺り篭にもなる。

布袋草を、私は勝手にメタボ草と名付けているが、正式には布袋葵と言うらしい。
浮き袋の役を果たす 丸く膨らんだ葉柄が、七福神の布袋様のお腹に似ていることから、名付けられたものだ。
夏に可憐な薄紫の花を咲かせるので、ウォーターヒアシンスと呼ばれて鑑賞用としても売られている。
ところで、柔らかい藤で編んだような家具やバッグが、 バリ島特産の ウォーターヒアシンス製として ネットで売られているが、これは 南方産の布袋葵で作ったものだろう。
ところが、南アメリカ原産の この水生植物は、湖沼で夏場に大繁殖して、水の流れを止めたり、漁業に支障が出たり、冬場に枯死したものが環境に悪影響を及ぼすとして、世界の外来侵入種ワースト 100 に選ばれているというから、一面だけでは分からない。

先日、布袋葵の花が咲いたので デジカメに収めようと準備していたら、大雨が降ってきた。
止むのを待って、夕方撮ろうとしたら、雨に打たれて 見るも無残に萎れてしまっていた。
この花は、もともと、一日で終わり 凋んでしまうものなのだ。
花言葉の 「 恋の悲しみ 」 は、ここから来たのだろうか。

次に咲くのは何時になるのか、待ち遠しい。

 そこで三句
  この夏は 浮き輪は要らぬ メタボ嬶 (快団爺)
  神様も メタボの例に 引き出され (快団爺)
  混血は 在来種より 美しく (快団爺)


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          ※ 根毛は、水中で ふわりと広がっている

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