【118】 ヤナギバルイラソウ


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「 民家の玄関脇に、青紫色の花が いっぱい咲いているのだけど、こんもりと纏まっていて好きだなあ。あの花は これから夏の間中咲いているのよね 」
一昨年 梅雨が明けた頃、散歩から帰った家内が、そんなことを呟いていた。
そんなある朝、根が付いたままの花の枝を 2,3本持って帰ってきた。
「 あの家からもらってきたの?」
「 いや、駅前のコンビニから頂戴して来たの 」
「 えっ、コンビニ ?」

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             ※ 花

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             ※ 蕾 と 種のさや

駅前にあるコンビニ入口横の道路側溝のグレーチング(格子状の鉄製溝蓋)から顔を出していたらしい。
「 ちょっと恥ずかしかったので、これだけしか抜いて来なかった。枝ぶりの良いのがまだ生えていたので、駅前まで ひとっ走り行って、取って来てくれたら嬉しいな 」
男の私がやる分は、恥かしくないらしい。

その数本が、今年は株も増えて、草丈は 90センチほどになり、まだ こんもりと纏まってはいないが、多くの青紫色の花を付けた。
朝顔と同じ、一日花である。
朝 4㎝ほどの花が開き、夕方には 雌しべを残して花冠は抜け落ちてしまう。
しかし、花が落ちて 種を包んだ細長い鞘になる一方で、次々と蕾もできて、花が咲き続けるから花期が長い。
6月中旬頃から咲き始め 、今年は、10月も暑かったので中旬まで咲いていた。

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             ※ 花

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             ※ 種のさや

「 パチッ 」
花冠を見ようと近づいたら、乾いた音がして、何か顔に当たった。
「 痛っ 」
一瞬、硬い小さな虫が飛んで来たのかと思った。
何んと、弾けた小さな種子が当たったのだ。
硬くなった 2,3センチの細長い種の鞘が、いきなり、鰐が口を開けたように割れて、20個程の 小さくて薄い円盤状の種子を 勢い良く弾き飛ばすのである。

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             ※ 弾けた種のさや

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             ※ 間もなく弾ける 種のさや

コンビニ前のグレーチングから顔を出していたあの花の子孫だけに生命力があり、その種もしっかりと存在感を主張しているようだ。

家内が散歩中に民家の玄関脇で見かけた花の種子が 弾け散り、雨で道路側溝に流され、はるばると 数百メートルも暗渠を旅して、やっと駅前のグレーチングから射す日の光の恵みを受けて芽を吹き姿を現したものが、我が家の玄関脇に安住の地を見つけ、その孫たちが私達を楽しませているのだと思う。

ところで、当時は、初めてお目にかかった花だから名前も知らず、春以来、花の色や形から ネット検索を試みたが、なかなか探し出せないでいた。
花も終わり 種の鞘ばかりになった頃、草花に詳しい町内会長さんが、たまたま我が家に来られたので、名前を聞いたところ、「 ヤナギバルイラソウ 」 という名だった。
会長さんは、いろんな雑草を写真に撮り、押し花にし、分類したりして研究しておられる方である。

後で調べてみると、メキシコ原産の半耐寒性外来植物で、繁殖力が強い花だという。
大村では、近年になって見かけるようになった花である。
外来種だから 馴染みのない カナ表記の名前だが、日本名らしく書くと、「 柳葉るいら草 」 である。
柳のように葉が細長いことから、付けられたらしい。

 そこで一句
  花までも 外来種らが 天下取り (快団爺)


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             ※ 花が終わって 種だけに

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             ※ 弾けた 種のさや

この記事へのコメント

無伴奏ソナタ
2008年11月20日 18:58
桔梗の青とも違う、鮮やかな青紫色の花です。道路側溝でも元気に育つとは、さすが、メキシコ原産。サボテンみたいに、たくましい。
はな
2008年12月02日 18:30
はじめまして。
とってもかわいいお花ですね。
側溝から持ってきてこんなに綺麗に咲くなんてびっくりです。
私もほしいなぁ。
ちょっとうろうろしてみます(笑)

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