【94】 「いずれが アヤメ、花菖蒲」


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昨年五月、佐世保花園のオーナー社長宅を訪ねた折、ご自宅前の大きな池の傍に、青紫色の見事な アヤメ が咲いていた。
艶やかな中にも楚々として可憐な花がなんとも可愛くて、株を頂いて帰った。
鵲声庵に移植した株が、芽を出し花開くのを今や遅しと待っていたところ、連休前からやっと咲き出した。
錦の腰布をきちっと巻いた蕾が次々に開き、鮮やかな青紫色の花を咲かせた。
花菖蒲より小さく控え目だが、凛とした気品を漂わせている。

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匂い蕃茉莉(バンマツリ)が、4月下旬、青い小さな蕾を 木いっぱいに付け、ぼつぼつと青い花が開きだして間もなく、青い花々に白い花を交えながら庭の一部を覆うように広がり、あたりに ジャスミンの香りを漂わせるようになった。
連休に入るころから、花はすっかり白色に変わってしまった。
匂い蕃茉莉は、ふと振り返りたくなる上品な香りとともに、5月の風を呼び込んでくれる花である。
   ※ 「匂い蕃茉莉」 について
      http://kaidanjii.at.webry.info/200704/article_3.html

傍に植えた アヤメ は、白い花々を 覆いかぶせるように咲かせている匂い蕃茉莉のため ずっと小さく見えるが、しっかり背筋を伸ばして健気である。
今は アヤメ の株はまだ少ないが、2,3年経って株を増やし、庭のあちこちに可憐な青紫色の花々を咲かせるのがまた楽しみである。

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アヤメ も カキツバタ も、そして ハナショウブ も、確り見分けるのは中々難しい。
「 いずれが アヤメ、 カキツバタ 」 というのは、どちらも美人で甲乙つけ難い時に使う言葉だが、もともと、アヤメ も カキツバタ も ハナショウブ も見分けるのが難しい花だよということなのだ。
アヤメ は乾地に、カキツバタ と ハナショウブ は湿地に育つという。
アヤメ の葉は細く、全体に花も小ぶりだから それらしいと分かるが、これだけを切り花にして、いきなり見せられたら区別しにくい。

ところで、辞典にあるが、アヤメ を 漢字で 「 菖蒲 」 と書くのは、どうもおかしい。
以前、アヤメ を 「 菖蒲 」 と書くなら、カキツバタ も 「 杜若 」 でなく 「 菖蒲 」 で良さそうなものなのにと思ったことがある。
後で調べてみると、この漢字は、水際(蒲)で勢いよく盛んに(菖)育つという意味だから、ショウブ は良いとして、乾地で育つ アヤメ に当てはめるのは適当でなく、むしろ カキツバタ の漢字名にするべきだったろう。
カキツバタ の漢字表記 「 杜若 」 は、日本名を漢字に当てるとき、杜若(トジャク)という別の植物の名を誤ってつけたらしい。
植物などの漢字表記では、まま こういうこともあるようだ。

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端午の節句にお風呂にいれる 「 菖蒲(ショウブ)」 が、「 花菖蒲 」 ではないことを知っている人は、それほど多くないという。
また、カキツバタ は 聞いたことはあるが、これと知って花を見た人も あまり多くないようだ。
「 花菖蒲 」 は アヤメ や カキツバタ と同じく アヤメ科で、「 菖蒲(ショウブ)」 は サトイモ科だというから、全く別のものである。
花菖蒲 を単に 「 ショウブ 」 と言ったり、アヤメ を漢字で「 菖蒲 」 と書くから混乱してしまうのである。

ところで、アヤメ に似ているのは、カキツバタ より 花菖蒲 だ。
聞きなれた 「 いずれが アヤメ、 カキツバタ 」 も、7・5 調で調子が良いが、むしろ、「 いずれが アヤメ、花菖蒲 」 と言ったほうが良かったのにと思う。

 そこで古典句をまねて一句
  アヤメ とは 俺のことかと 菖蒲(ショウブ)言い (快団爺)

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            ※ 上の写真は、いずれも鵲声庵の アヤメ
            ※ 下の写真は、大村公園の花菖蒲 (昨年6月)
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この記事へのコメント

仮分数
2008年05月12日 18:00
爺様は植物博士ではないのでしょうか?
詳しい
アヤメも幸せです
自然に酔う 嬉しいです
無伴奏ソナタ
2008年05月15日 23:33
快団爺氏の写真の腕が冴えてます!
鵲声庵の アヤメのブルーは、ほんとうに美しい。
さぶ
2008年05月16日 10:19
公園で、池のような田んぼに咲いている花は、
「ショウブ」と言っていたから、端午の節句に風呂に入れるのは同じだと思っていました。
「 立てば芍薬、座れば牡丹 」のという言葉もあり、「 いずれが・・・ 」も、アヤメとカキツバタ の花が、「どちらも同じように美しい」から、甲乙つけがたい美人を表現する時に使う言葉になったものと思っていました。
私はカキツバタの花を見た記憶がありません。
恥ずかしながらこの花を知らなかったのです。
それが、思い込みの原因でしょうか。
この年になって、またまた賢くなりました。

それにしても、アヤメの写真は美しい!
高性能になった デジカメの故ばかりとは、
決して思っていませんです。
爺様が振るう腕のスキルアップの所為だ!と、
正直 思っています

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