【93】 佐世保花園

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「 佐世保花園は素晴らしい花園ですね。こんなスポットがあるなんて初めて知りました。佐世保のどこにあるのでしょう 」
前の記事を読んだ長崎の知人からメールを頂いた。
前の記事に引き続き、佐世保花園のことを紹介したい。
佐世保花園は、佐世保市北部、平戸方面に向かう国道204号の 佐々町に通ずる 新バイパストンネル手前の交差点で右折、旧国道を MRのガードを抜けて少し行ったところの市営焼却場付近から 右に200mほど登ったところにある。

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この花園は、元々あった大きな池や崖や傾斜地を上手く活用して、変化に富んだ魅力ある景観を創り出している。
池には橋を架け、崖の傍に石造りの五重の塔を配し、中国に発注して造らせた 巨大な石造りの七福神が祀ってある。
それらの配置も、崖や池などと見事に調和している。
また、上段の花園では、チャモなど数10羽の地鶏を放し飼いにしており、来園者を和ませてくれる。
私は、ここを訪れる度に、在来の自然を大事にして 山や谷の起伏を上手く利用したという、明治の造園家で 祖庭と号した大村出身 長岡安平 を思いだすのである。

花園は、これから 平戸つつじ が咲き、ヒトツバタゴ(約 20本)、シャクナゲ(約 500本)、芍薬(約 2,000株)、菖蒲(約 5,000株)、百日紅(約 100本)と続き、白、ピンク、赤の萩(約 100本)、紅葉などが 秋の彩りを楽しませてくれる。

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未整備の敷地も含めると 約 3万坪だが、この園には、高齢者のコロニーを造る計画があるという。
この コロニー の コンセプトは、メイン施設を中心にし、その周辺に高齢者が生活する プレハブの住まいを設ける。
園内には、1年を通して それぞれの季節に咲く花々を植えている。
生きがい対策として、居住する高齢者も花を愛でながら これを管理して、一般市民にも開放して観賞してもらおうというものだ。
現在、花木の植栽など 1万坪ほど整備が済んでいるが、これは、面積では全体計画の約3分の1である。

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この建設途上施設のオーナーは、佐世保市内で或る会社を経営している社長さんである。
私は、彼の生き方に深い感銘を覚えている一人だ。

彼は多くを語らないが、残る人生を懸けて、長い間温めてきた大きな夢を実現しようと、自ら 少しずつ こつこつと努力していることだ。
頭の中にある設計図に従い、社長自ら地下足袋を履いて、ブルやユンボ、クレーンなどを駆って敷地を造成し、植樹をしている。

本業は多難で多忙だが、それは確りと経営しながらの仕事である。
しかも、花園の方は私財を擲っての事業ではないかと思われる。
規模が大きいこともさることながら、建設専門の業者に請け負わせているのではないから、この事業も 一挙には進まない。
それでも彼は夢を実現すべく、少しずつではあるが 着実に前進させている。

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「 斜面を コンクリート張りにするなんて 以ての外だ。花木を植えれば斜面も活きる 」 と彼は言う。
だから、斜面には一面に つつじ等が丁寧に植えられているのだ。
建設の用地費が掛からず、景観も良く、水捌けが良く樹木のためにもなる、「 斜面を活用せざるはなし。」 は、彼の造園哲学でもある。

ところで、社長の楽しみがもう一つある。
年一回、佐世保出身のクールファイブの前川清を招いて、花園内 池の傍特設舞台で歌謡ショーを行っているのだ。
私も招かれて行ったことがあるが、社長が日頃お世話になっている人々や、親類縁者、近隣の人々が集い楽しんでおり、一般の市民も自由に入場しているようだ。

 そこで俳句を一句
  花掲げ 夢は斜面を 馳せのぼり (鵲声)







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