【81】 目白押し


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鵲声庵には、いろんな野鳥が訪れる。
特に、梅の小枝に蜜柑を割って指しておくと、メジロと鵯(ひよどり)が交代で頻繁にやって来る。
メジロが東方から飛んで来て蜜柑を啄んでいると、その後にすぐ鵯がやって来て、メジロはパッと西方に逃げて行く。
鵯は悠々と居座って、我が物顔に蜜柑を食べる。
食欲旺盛だから、長く居ると 蜜柑はすぐ無くなってしまう。

次に来たメジロが、寒椿の茂みに潜んで、鵯が飛んで行くのを じっと待っているのが いじらしい。
そうなると、メジロに肩入れして、つい 窓を開けて鵯を追っ払いたくなるが、メジロ も逃げて行ってしまうので、私まで じっと我慢してしまう。

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驚いたことに、先日、メジロが集団でやってきた。
20数羽はいただろうか、一本の梅の木で、盛んに じゃれ合うもの、蜜柑を啄むもの、小枝で 数珠繋ぎになって憩うもの、それぞれ、我が世の春を楽 しんでいる様子なのだ。
しかも、先着の鵯がすぐ傍にいるのに、その存在を完全に無視しており、とうとう鵯の方が追い払われるように飛んで行ってしまった。

当に壮観とも言うべき光景を、しばらく茫然と眺めていたが、はっと気が付き、あわてて カメラを取りに行った。
ところが、いつも愛用の小型デジカメ が見当たらない。
しかたなく、デジカメ一眼レフ を掴んで戻って来ると、まだいた。
「 よおし!」
シャッターを押そうとファインダーを覗いたら、何も見えない。
ああ、そうか、キャップを外していなかった。
キャップを外して覗いた。
「 しまった!」
カササギを撮ろうと、300mmの望遠レンズを填めたままだったのだ。

標準レンズを取りに行き 戻ったら、まだいた。
「ようし、いいぞ!」
ところがなんと、窓ガラスが反射して、室内から外の光景がうまく撮られない。
腹ばいになり、メジロを驚かさないように、そうっと窓を開けた。
シャッター を押そうとしたら、メジロの団体さんは、鵲声庵での一時を もう十分に楽 しんだよと、わらわらと飛んで行ってしまった。

「 カメラが手元にあったとしても、逆光で撮られなかったさ 」
イソップ寓話のキツネよろしく 空を仰いで呟いたが、ドジで、カメラに納め得なかったことは、誰よりも自分がよく分かっている。
あれ以来、準備万端整え 手ぐすね引いて待っているが、団体さんは 来てくれない。

「 ああ、あれが 『 目白押 し 』 というのか・・・ 」
今でもまだ、何となく、あの興奮を抑え得ないでいる。

 そこで一句
  落選議員 掛け金取りが 目白押し (快団爺)

 角栄神話で、もう一句
  目白御殿 要望陳情 目白押し (快団爺) 

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           番い の メジロ
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           鵯の子も可愛い

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           鵯は食いしん坊

この記事へのコメント

仮分数
2008年02月16日 09:45
庭にメジロが来ているのに メジロが春の到来を囁いているのに、気づいていない人間が多い。
ゆっくりとゆっくりと 季節は訪れているのに その感動すら忘却している。
なんだか 寂しく侘しく空しい。
けれど 捨てたものでもない。
メジロは 何の策略もなく 訪れてくれる。
我が家の梅の木にも飛んできた。
満開になる 椿には 鶯がくる。
楽しみです。
無伴奏ソナタ
2008年02月17日 16:29
メジロ、可愛いですね。我が家にも、ポツポツと訪ねてくれますが、蜜柑を「ちゅーちゅー」と吸う姿が、何とも愛らしい。
「目白押し」由来の話に、ホントかしら、と疑いつつ、辞書を開くと、あらら、本当でした!! 

春に向けて、ひとつ賢くなりました。
うけすけ
2008年02月18日 20:47
近所をぶらつくだけで、様々な鳥を目にします。
以前はスズメだけだったのに、最近はメジロが多く見られるようになりました。抹茶のような緑色の羽を近くで見ようと、つい近寄っちゃうのに、気にせずに蜜柑をつつく姿がなんとも可愛い!
この記事を見て、うちにも団体さんこないかなぁ、と、
ぼぅっと庭を見るうけすけでした。

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