【71】 ミミズ(蚯蚓) と ミミヅク(木菟)は、神様の使い?


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私が幼い頃過ごした長崎県西彼杵郡の神ノ浦は水の豊かな村で、彼方此方に馬場水道(共同水道)があり、水が出しっぱなしになっていても止める人もいなかった。
5,6歳の頃、玄関脇の水道で水遊びをしながらその傍で小便をしたら、オチンチンが 見る見る内にパンパンに腫れ上がったことがあった。
「 水道のトコロで オシッコ したでしょ?」
近所の小母ちゃんから言われて、どうして判ったのか不思議だった。

「水道の傍のミミズ(蚯蚓)は水神様の使いだから、小便を掛けると罰が当たるとよ。高等科に行っている 家のお兄ちゃんも腫れたんだから・・・」
偉いでしょう と言わんばかりに、いつも面倒をみてくれる お姉ちゃんが得意げに教えてくれた。
彼女が敬愛する自慢のお兄ちゃんも、馬場水道の傍で小便したらしい。

「 きっと、神様の罰が当たったんだ。治らなかったらどうしよう 」
子供心に怖くて心配で、大声で泣いたら オチンチンに響いて痛かった。
オチンチンの腫れは間もなく治ったが、それ以来、水道の傍は敬遠して、少し離れた 玄関横の溝を隔てた石垣の穴に向けて飛ばした。
時々、銀色のトカゲが あわてて出てくるのが面白かった。

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                ※ 広 森 雄 画  「 ふくろう 」

夜、木の上で 「ホー、ホー」 と啼いているのは ミミズ だ、と聞いたのも この頃だ。
神様の使いだから、夜になると土の中から這い上がり、木の上で啼くのだと素直に信じていた。
後になって、「ホー、ホー」 と啼いているのは 「 ミミヅク 」 と言う鳥で、「 ミミズ 」 ではない と分かったが、神様の使いは 「 ホー、ホー 」 と啼くものだと信じていただけに、すっきり納得し得なかった。
だから 以後ずっと、自分なりに 「 ミミヅク 」 も神様の使いだと思っていた。

高等科のお兄ちゃんに山菜採りに連れて行ってもらった山で、まるっこい鳥を ミミヅク だと教えてもらった。
「 あんな惚けた顔をして神様の使いだなんて、おかしいや 」
裏切られたような気がしたが、しかし、何となく この変な鳥の方が神様の使いらしくも思えた。
「 ミミヅク に小便掛けたらどうなるかな 」
ふと、不遜なことを考えたのも その時だったような気がする。

 そこで一句
  向かい風 小便飛ばして 罰被り (快団爺)

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この記事へのコメント

さぶ
2007年12月12日 12:06

久しぶりに、爺様の面目躍如たるエッセイで楽しかった。

実は、私も幼い頃、大きな声では言えませんが腫れた経験があります。
あとで、蚯蚓は自分より大きい蚯蚓が攻撃して来たと思い、毒ガスで反撃するのだと、兵隊帰りの伯父貴が教えてくれました。

向かい風で、しかも上に向けて飛ばすなんて、神罰でなく、単にドジ。
しかしそう言う私は、若いころでも空のヤカンをやっと吊下げる程度しかなかったので、木の上のフクロウ迄は、とてもとても…。
脱帽jです。
うけすけ
2007年12月12日 14:41
学校でのことです。
数人で花壇を耕していたのですが、蚯蚓がわんさか出てきたことがありまして、その際に、ある先生が
「その手でチンチンはさわるなよ。・・・・・
 ましてや、おしっことかかけるんじゃねえぞ」
と、笑っておっしゃっていました。
なにかあるんですかと尋ねると、
「生き物を馬鹿にするとな、痛い目にあうんだ。」
と教えてくださいました。

なるほど、神様ですか。そうかもしれませんね。
快団爺様の話は面白くて勉強になります。
仮分数
2007年12月13日 15:30
ミミズク ふくろうは幸せを 持ってくる
悪魔を追い払う神様が付いている
だから 玄関に飾ると良い
我が家も 数十年前 ふくろうの油絵を求めて飾った
いつも 悪魔をジーと見つめている
帰宅すると 癒してくれる
嬉しいフクロウです

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